2018.05.18
暑くなってきたことにより、皮膚や耳が痒いといったワンちゃんや猫ちゃんが
多く来院される時期となってきました。
ワンちゃんのアレルギー性皮膚疾患は病院に来院される皮膚病の中で
1、2を争う多い病気の一つになっておりますが、
近年では、猫ちゃんでもアレルギー性皮膚疾患を疑う子たちが
非常に増えてきています。
アレルギーと言っても食物アレルギーや
環境物質に対してのアレルギー(花粉・ハウスダストなど)、
ノミや蚊などの昆虫に対するアレルギー、その他などなど様々なものが挙げられます。
身体中に湿疹ができ、非常に痒がって来院された『かーな』ちゃん。
来院初診日は背中や顔一面に発疹が見られ、ノミのアレルギー性皮膚疾患を疑い
治療を行いましたが、背中は良くなるものの、腕の付け根やお腹を痒がり
舐め続ける症状は依然として変わらないままだったため、
より確定診断を得るために皮膚の組織を一部切除し、
病理組織検査を行ったところ、アレルギー性皮膚疾患との診断。
(食事性、環境性、昆虫性、その他のアレルギーなどの鑑別は不可のため、ここからまた鑑別となります)
これを受け、食事やお薬なども変更し治療を行った結果、
痒みもほとんどなくなり、舐めることもなく毛がしっかりと生えてくれました!!
まだまだ治療は続きますが、この状態を維持できるように治療を
続けていきたいと思います。
アレルギーやアトピー性皮膚疾患は今の医療では
『絶対に完治しない』病気の一つです。
痒みや症状を緩和させて、上手に付き合って行くことが治療目的となります。
特に難治性のアトピーやアレルギー性皮膚疾患の場合には食事療法や薬物治療、
シャンプー療法など、非常に様々な治療を組み合わせて行くことが必要となります。
何よりも治療を行なっていく中で一番大切なことは『飼い主様の協力』であり、
こちらがお願いした通りに、
・お薬を与えてくれない。
・塗り薬も指示通りに塗ってくれない。
・シャンプーが出来ない。
・食事を変更して欲しいのに、好きなフードを与え続ける。
etc…
があるにも関わらず、良い結果が得られないと不満を言われる事がありますが、
どのような治療においても飼い主様のご協力が必要であるということを
十分にご理解頂き、痒みに苦しむ動物たちからの
『痒みの解放』の治療にご協力いただければと思います。
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栃木県小山市の動物病院
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