紐状異物の猫
異物を食べてしまい催吐処置(吐かせる処置)を実施したり、
異物が腸を閉塞させ嘔吐が止まらないとの主訴で来院されるケースを
最近多く経験します。
人間側からすると『これは食べないだろう』と思っても、
動物たちにとっては、食感だったり飼い主様の匂いがついていたりなどで
おもちゃとして遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまい
誤食につながるパターンも多くみられています。
異物の中で最も気をつけていただきたいものの一つとして『紐状』のものが挙げられます。
『猫じゃらしのおもちゃの紐』や『釣り糸』『包装紙の紐』
『ビニールテープ』『ストッキング』『飼い主様の髪の毛など』etc…などなどあげればキリがないほどです。
ある程度の長さの紐や糸状のものが胃や腸で引っかかると、
まるでアコーディオンの様に腸がくねくねと折りたたまれてしまいます。
そのまま時間が経過すると、紐や糸状異物が腸を切ってしまい
命に関わる重篤な状態になってしまう非常に怖い異物の一つとして挙げられます。
ブログでも猫伝染性腹膜炎(FIP)治療寛解報告をした『サムライ』ちゃん、
FIP治療開始前はほとんどご飯も食べず非常に危ない状態で来院されましたが、
FIP治療を開始して数日でみるみるうちに元気になってくれました。
元気になってくれたのは良いのですが、元気になりすぎておもちゃの紐を
誤食してしまった疑いで来院されました。
FIP治療を開始してからまだたった10日間しか経過していなかったため、
麻酔や手術を行うことによりFIPの悪化や体調悪化なども懸念されましたが、
残念ながら超音波検査にて小腸のアコーディオン化が確認されているため
手術をせざるを得ない状況であり、そのまま緊急手術となりました。

手術結果、下記写真のように異物は60cmにもわたるゴム紐でした。
このまま気づかずに放置すれば非常に危険な状態になっていました。

手術も比較的順調に終わり、入院中はFIP治療も同時並行で行いましたが
一回も怒ることなく『武士道精神を貫くサムライ』の様に全ての治療や検査などを
こなし無事に退院の運びとなりました。

異物誤食に関しては飼い主様が気付かないうちに誤食していることも多くみられます。
食べ物でないものは動物たちの『手や口』が届かない場所にしまってもらい、
嘔吐などの症状が継続する際には早目の受診をするようにお願いいたします。
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栃木県小山市の動物病院
メルどうぶつ病院
メルどうぶつ病院は
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何でも気軽に相談出来る地元密着型の動物病院を目指しています。
FIP(猫伝染性腹膜炎)治療を行っております。
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