2023.03.1
歳を重ねてくると多くの方が『腰が痛い・膝が痛い』などの症状がみられると思います。
僕も肩こり・腰痛持ちなのでその辛さは身に染みてよくわかります。
ねこちゃんたちも実は腰が痛かったり、膝や肘が痛いことをご存知ですか?
ある統計によると、10歳以上の猫の約7割、12歳以上の猫の約9割が
腰や膝・肘などに変形性関節炎を抱えていると言われています。
「うちの猫は痛くて鳴いてませんよ?」と思われると思いますが、
痛みを訴えて鳴くというのはよっぽど強い痛みのみとなります。
変形性関節炎の症状として多くみられるものとしては、
『ジャンプをしなくなる』『階段を上りたがらない(軽やかに上らなくなった)』
『高いところから降りるのを躊躇する』『高いところに上りたがらない』
『あまり動かない』『爪が伸びるようになった(グルーミングしなくなる)』
『トイレを失敗するようになった(トイレじゃないところでおしっこしちゃう)』etc…
などなどの症状で現われることが多いといわれています。
また、別の論文では
『関節炎の症状があるにも関わらずそれに対する治療率はわずか3%程度』
とも言われています。
つまり、明らかな痛みや元気消失・食欲不振を猫ちゃんが訴えていないため
動きが悪かったり、よく寝ているのは「年齢によるものが大きいのだ」と
思われてしまい現実的に治療を掛けられている子の割合が少ないということになります。
今までの治療では、関節に対する『痛み止め』や『サプリメント』のみでしたが、
今回新たに発売された『ソレンシア』は、関節炎に伴い分泌される物質を
阻害することにより関節の痛みを緩和するお薬となっています。
関節炎の多くは年齢を重ねてからみられる疾患ですので、
腎臓病など持病を持っている子が多いと思いますが
腎臓などへの安全性は高いといわれている薬剤となります。
また、月に1回の注射薬となりますので、内服などは必要なく
お薬を嫌がる猫ちゃんにとっても確実に投与が可能となります。
上記の症状などが見られる場合には、一度ご相談下さい。
ワンちゃん用の関節炎薬である『リブレラ(犬用)』に関しては、
国内製造販売承認の認可を受けましたので、近いうちに
発売されると思います。関節炎に苦しむわんちゃんたち、
もう少しだけお待ち下さい。
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