2017.12.23
『異物の誤食』は多く見られる主訴の一つとなりますが、
異物の中でも命に関わる危険なものの一つとして『紐』の誤食があげられます。
1〜2cmほどの短い紐ではあまり重大になることはありませんが、
ある程度長い紐や糸の場合には「一端」がどこかに引っかかり、
「もう一端」が先へ流れてしまうと、腸がちじこまりいわゆる『アコーディオン状』
になることで、腸の働きができなくなり吐き気が生じたり、
食欲不振などの症状が現れます。
このアコーディオン状の状態が続くと、紐により腸自体が裂けたりすることで、
命に関わる非常に危険な状況となります。
今回、手術を行った『にこ』ちゃんも、おもちゃの紐を食べてしまったとのことで
来院され、超音波検査を行うと小腸がアコーディオン状になっていたため
緊急手術を行った結果、、、、、、
胃から十二指腸〜空腸〜回腸〜盲腸まで、ほぼ腸全体にわたってゴム紐が絡んで
非常に危険な状態になっていました。
結局、胃を1箇所、腸を8箇所の計9箇所を切らないと取り出せないほど
絡まっており、非常に時間のかかる手術となりましたが
無事取り出すことができました。
術後も安定し、数日の入院管理のもと日々元気になりました。
誤食癖のある子は繰り返し同じことをしてしまうことも多いため、
今までに食べてしまったことがある子や若い子では特に要注意となります。
これからの時期はクリスマスやお正月が控えているため、
異物事故が多くなる時期でもあります。
飼い主さんが気をつけて管理をしていても事故が起こることもありますが、
動物は人が思ってもいないことをする生き物ですので、
「くれぐれも」「必要以上に」注意していただき、事故がないように
お願いいたします。
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栃木県小山市の動物病院
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