2023.03.6
去勢手術は陰嚢(袋)より精巣を2個摘出する手術となりますが、
まれに陰嚢内に精巣が2個確認できない子がいます。
精巣は胎児期にお腹の中で発生して、犬では3ヶ月齢、猫では2ヶ月齢までに
鼠径菅(腹部と太ももの間に走る管)を通じて陰嚢内に降りると言われています。
陰嚢内に精巣が2個降りていない状態が『潜在精巣』や『陰睾』と言われます。
潜在精巣は通常の陰嚢内の精巣と比較すると、
(手術をしない状態で)5歳齢以上になった時に
腫瘍化するリスクが数倍高くなるという報告が出ています。
そのため当院では目安として10ヶ月齢、遅くとも1歳齢になった際に
潜在精巣であれば手術をする事を推奨しております。
今回精巣が降りていないと来院された『ロン』ちゃん。
左の精巣は降りていましたが、右の精巣がどこにも見当たらないため、
超音波検査で確認するとお腹の中に小さい精巣を確認することができました。
麻酔をかけておなかを上から見た状態がコチラ、、、
超音波検査で確認した場所で開腹してみると、
こんな感じで腹腔内陰睾を確認することができました。
潜在精巣は正常精巣と比較しても大きくなっていないことが多いため、
上記写真を見ての通り、大きさが明らかに異なると思います。
お腹をあけての手術でしたが、いつも通りしっかりと疼痛管理を
行った結果、手術後5分後には元気一杯走り回り、
術後2時間後には満面の笑みでおうちに帰って行きました♡
去勢手術していないのにも関わらず、
『精巣がない!!』という子は一度ご受診下さい。
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栃木県小山市の動物病院
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